▪️小さなギターひとつ。根なし草の旅がらすのように世界中を旅し魅了し続けたエド・シーランの使用楽器とは?
▪️職人技とも思えるループさばき。その足元の秘密とは?
今回はそんなエド・シーランの使用楽器とともに魅力を深掘りしていこうと思う。
ed sheeranの魅力
<素晴らしいアーティスト、素晴らしい楽曲>の大切な要素の一つとして”思わず歌ってみたくなる歌”というのはとても大事な要素ではないだろうか?
カラオケで歌われるような時代の流行りすたりと共に生まれる一過性のヒットソングや、長きにわたって多くの人に愛される名曲。
一概には言えないがこういった楽曲が生まれるには”思わず歌ってみたくなる”という要素が必要であると思う。
しかし今回はさらに一歩先を行く”思わず弾いてみたくなる”という方のためにエド・シーラン(ed sheeran)の使用楽器をまとめてみようと思う。
エド・シーランの楽曲は世界中の人たちがYouTubeなんかでカバーされまくっているし、"Shape of you"は色んなアレンジでこすられまくっている。
エド・シーランは弾いてみたくなる楽曲製造機なのだ。
彼はアコースティックギターを使うSSW(シンガーソングライター)だ。親しみのある人懐っこいメロディで弾いてみたいという人も結構いるはず。楽器を新たに始めてみたいという人にもぴったりのはずだ。使用楽器と共に彼のスゴさを掘り下げていこうと思う。
Ed sheeran "The A Team"
アルバム「+」に収録されている"The A Team"はEd sheeranを一躍有名にした代表曲。洋楽が好きな人であれば一度は聞いた事があると思う。
シンプルなコードワークに爽やかなメロディだが、この歌が題材にしているのはドラッグから抜け出せないでいる女性の事を歌っている悲しい歌だ。
使用ギター ”little Martin LXME”
Martin アコースティックギター Little Martin Series LXME Natural
エド・シーランといえばこの一回り小さいサイズのギターだ。この手のギターは”トラベルギター”とも言われていて気軽に使えて持ち運びが便利という事が大きな特徴。手の小さな女性や子供がギターを始めるのにもおすすめ。
10万以下でMartinのギターを購入できるというのも大きなポイントだろう。正直このギターをメインで使うエド・シーランの姿には結構衝撃的だった。しかもテイラー・スウィフトの「RED」のツアーあたりまで使っていたと思う。
売れないホームレス時代にそこら中で歌いまくってたエド・シーランからすれば、このサイズ感が身軽でよかったんだろうね。
Ed sheeran "you need me ,I don't need you"
ループペダル
この曲もアルバム「+」に収録されている曲だ。この曲で紹介したいのはエド・シーランの足元にあるループペダルというエフェクターについて。
Boss RC-30 Loop Station
ループペダルというのは演奏した音や声を一定のフレーズにしてループ再生させるために使う機材。
DJが使うようなサンプラーに近いかもしれない。
DJはもちろん手元で操作するが、RC-30はギター奏者のために作られていて全ての操作を足元だけで完結する事ができる。
ループパフォーマンスを大衆に受け入れさせたすごさ
僕が初めてループペダルを使った演奏を見たのは10年以上前、中学生の頃に見た向井秀徳(NUMBER GIRL、ZAZEN BOYS)のライヴの時。その時はループに特化したエフェクターではなく、line6 delay modelerのディレイ機能を使ってループパフォーマンスをしていた。
それは衝撃的だったんだけど何が言いたいかというと当時ループパフォーマンスなんてしてる奴がいなかったという事。1曲程度ライヴで演奏する事はあっても、ギターを使ってループペダルを使ってる奴なんてオタクしかいなかった。
当時、有名歌手でいえば映画「プラダを着た悪魔」の主題歌にもなったスコットランド出身のシンガーソングライターKT Tunstall(KTタンストール)が自身のヒット曲"Suddenly I See"をループパフォーマンスで演奏していた。
楽器の技術的なパフォーマンスではなくポップソングのライブ中にループペダルを入れ込むというのもこの頃からではないだろうか?エドも彼女の演奏には大きな影響を受けたはずだ。
そしてエドはループパフォーマンスをさらに高い次元へと持ち上げていった。
KT Tunstallの当時の映像を見つけられなかったので参考までに最近の動画を。
KT Tunstall "Suddenly I See"
フレーズをループさせるということは演奏に一定の縛りが生まれ、ペダルを0.5秒踏み遅れれば曲の調和が乱れる。バンドであれば修正できるだろうが機械ではそうはいかない一発勝負の職人技ともいえる。
そのループペダルをエド・シーランは持ち前のポップさと共にスタジアムを埋め尽くす程の大衆音楽へと成長させた。
そして彼が持つ曲のアレンジセンスともループペダルは相性がいい。
アコースティックで弾き語るという事を主軸にHIPHOPやレゲエ、クラブミュージック様々なエッセンスをとりいれクラブDJの繋ぎのような効果を生み非常に細かいビートを作り出す。
そもそもループさせる事ありきで楽曲制作しているのだろう。音源とライブの違いも楽しみの一つである。
ちなみにカポはDUNLOP。
JIM DUNLOP 83CDN トリガーカポ アコースティック ニッケル
2枚目のアルバム「×」(マルティプライ)からはlittle Martin LXMEのシグネイチャーモデルが発売されたり、ループペダルのマシンも独自に開発していったものになっている。
そちらも後ほど追記していこうと思う。