エレファントカシマシ ”今宵の月のように”
最近何かと目にする宮本浩次という男。椎名林檎とのコラボに参加しソロ活動にギアを入れたかと思えば、いまなおその勢いを増している。
エレファントカシマシの屋台骨として30年のキャリアを積んできた男の信頼感は相当なもの。エレファントカシマシと言えば「今宵月のように」や「悲しみの果て」が代表曲として挙げられるが今、宮本浩次で連想される曲はもっと別の曲ではないか?
何故今宮本浩次なのか?そこを深掘りしていきたい。
エレファントカシマシ
エレファントカシマシは1988年にデビューしている。他にどんなアーティスト、バンドがいるだろうか?
1987年 THE BLUE HEARTS
1987年 ユニコーン
1988年 B’z
1989年 DREAMS COME TRUE
1991年 スピッツ
1992年 THE YELLOW MONKEY
1992年 Mr.Children
1992年 ウルフルズ
デビュー30年前後のアーティストを列挙してみた。
有名どころを並べてみたが、この中でも勢いだけで言えば間違いなく(エレカシ)宮本浩次だろう。この1、2年のメディアへの露出を見ても明らかだ。(もちろんそんな事では測れない事は百も承知だが)
1度はメジャーの音楽シーンから離れたエレカシだがデビュー以来、折れる事のない太い芯で突き進み、求心力を増してソロ活動へとシフトしていった。
エレカシの宮本浩次といえば、ビシッとスーツを着こなし、髪を掻き毟ながら、ときに観客を睨みつけ、「エビバデ!!」と言いながら聞くものに訴えかける。
エレカシを思い浮かべればこういう映像が頭に流れてくるはずだ。僕自身エレカシを中学生で初めて見た時、得体の知れないカテゴライズ不能の初めて見る人間の種類に、得体の知れない高揚感と焦燥感を抱いたのを覚えている。
まだ記憶に新しい昨年の紅白に出演した際、椎名林檎との「獣ゆく細道」で相も変わらずその姿を惜しげも無く晒してくれた。本当に宮本浩次にテレビ用だの何だのという小細工は一切ないのだ。
椎名林檎 ”獣ゆく細道”
7月にリリースされたソロとしての1stシングル「昇る太陽」では53歳という年齢を感じさせないパンクを聞かせてくれている。きっとこの曲に勇気付けられたサラリーマンがカラオケで歌おうとしてもなかなか難しいだろう。喉を殺しにきてる。
宮本浩次 ”昇る太陽”
宮本浩次と横山健が初のコラボ
先日宮本浩次と横山健のコラボが発表された。映画「宮本から君へ」の主題歌として「Do you remember?」という曲を書き下ろし、Hi-STANDARDのギタリスト、横山健が参加している。予告編で断片的に聞くことができるが、唯一無二の存在感を持つ2人の曲だけあって熱い曲になっていた。
8月10日に開催されるロック・イン・ジャパン・フェスティバル2019への出演が決まっている宮本浩次だが、横山健とのバンドで出演するようだ。この二人が揃う所をみれるのはすごい贅沢。
最後に
なぜ今宮本浩次なのか、それは前述したとおり、太い芯で揺らぐことなく長い間やってきたからだ。
そうやって培ってきた重厚な信頼感にアーティストやファンが集まってくる。
「昇る太陽」のようなエレカシでは見れなかった宮本浩次の新たな側面が作られ、聞かせてくれる。
そしてこれまでのファンだけでなく新たなファンをも作り続けている。
何より宮本浩次はシンガーとして嘘偽りがない。嘘偽りがないことが受け取る側にわかりやすく伝わってしまう。だからこそ長い間ファンに愛され続け、新たな若い層のファンにも届くのだ。
これからきっとアルバムも出るだろうし、出して欲しい。
でもその前に横山健とのスペシャルバンドで出演するロッキンと、RISING SUN ROCK FESTIVALでの弾き語りを楽しみにしたいと思う。