先日、後輩に「最近どんな音楽聞いてるの?」
と、近頃の10代はどんな音楽を聴くのか興味と調査もかねて聞いてみた。
この問いに彼はアニソンを中心に「ラッドウィンプス」や「あいみょん」といった有名どころばかり並べ全く参考にならない答えを返してきたのだが、「1番聞いてんのはマイファスですかね!」と答えた。
「ワンオクtakaの弟のバンドか」と尋ねると
「...らしいですね」
と答えた。この「らしいですね」が妙に引っかかる。
要は「そんな事関係ねーよ。お前そんな事考えて音楽聞いてんのか?」
と言われたような気がしたからだ。そんな事は断じてない!
断じてないがマイファスだけは別でしょ?みんなそうでしょ?
2012年頃CDショップでデカデカと宣伝されるマイファスのポップを見てから僕はマイファスに対して拒絶反応があった。
それはバンドが辿ってきた道筋やバックボーンが全く見えない、本来のバンドが行うべき手続きをすっ飛ばしてきている事への違和感からくるからだ。当然"こうじゃなきゃいけない"というものではない。がしかし筆者のような違和感を持っているリスナーは少なくないはずだ。
”親の七光り”だとか、”有名な兄”だとか批判や受け入れがたい要素はたくさん持っているし僕もそういう認識であった。いちいち並べたてるような事はしないが、マイファスが辿ってきた経歴は実に輝かしいものと言えるだろう。
掃いて捨てるほどにいる数あるバンドの中から抜け出すには、時代の流れや運やら縁やら様々な事に折り合いをつけなければならない。そこを軽々と飛び越えてしまうキナ臭さこそが違和感なのだ。
My First Story "Accident"
ええやん。。。全然思ってたんとちゃう。すんごいキャッチー。今更だけどやっぱり歌上手い。血は争えない。
歌がうまいというのは、ピッチが取れてる。外れないという意味ではなくて、声質のこと。
こればっかりは持って生まれてくるしかない。そもそも1度ライブを見たことがあるが歌めちゃうまい。まだ僕みたいに手のひら返してない人は音源ではなく生で体感したほうがいい。
My First Story
前置きが長くなってしまったが、今回紹介したいのはこのアコースティックアレンジされたアルバム。
兄を超えるべき存在と認識し、バンドのあり方をだいぶ確立した今、親の七光りだなんだと呼ぶ人はだいぶ少なくなったんじゃないでしょうか。
今このタイミングで出したこのアコースティックアルバムはとてもいい作品だと思うし、マイファスが次のフェーズに移るような予感を感じさせるワクワク感がある。
なかなか痛い発言が目立つマイファスだけど、ひたむきにやってきただけの事はある。本当にいいアルバム。
いまだに拒絶反応出してる人がいれば僕みたいに寝返ってみてはどうだろう?