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Logic Pro DeEsser 2の使い方|ボーカルの「サ行」だけ痛いときの調整手順

歌の音量はちょうどいい。それなのに「さ」「し」が来るたび、耳に刺さる。高音をEQで下げると今度は声全体が曇ってしまう。ボーカルを整えていて、この往復にはまったらDeEsser 2を試す場面です。

ただし、強くかければ滑らかになるわけではありません。子音まで消すと、言葉の輪郭がぼやけます。目指すのは、サ行がゼロの声ではなく、歌詞を自然に聴けるバランスです。

この記事ではMac用Logic Proの標準プラグインで、問題のある一節を見つけ、必要な分だけ処理する順番を紹介します。以下の試し方は調整の出発点であり、すべての歌声に共通するプリセットではありません。

DeEsser 2は何をしている?

DeEsser 2は、目立つ高域を検出して動的に音量を抑えるプロセッサです。常に同じ帯域を下げるEQと違い、設定した条件で処理が動きます。Logic ProではAudio FXの「Dynamics」から追加できます。Apple公式のDeEsser 2解説

最初に見るつまみは三つ。Frequencyは狙う周波数、Thresholdは処理が始まる条件、Max Reductionは抑える量の上限です。周波数だけ合わせて終わりにせず、「いつ動くか」と「どこまで動くか」を分けて考えると迷いにくくなります。

最初に、サ行と母音の両方が入る区間を選ぶ

一番痛い「し」の一瞬だけを繰り返すより、前後の言葉まで入った短いフレーズを使います。「し」は穏やかになったけれど、その後の母音まで痩せた、という副作用を同時に確認できるからです。

まずはプラグインをバイパスし、困っている場所を決めてください。気になるのは子音だけなのか、フレーズ全体が明るすぎるのか。それとも一語だけ録音レベルが飛び出しているのか。症状を書き分けておくと、つまみを動かす理由がはっきりします。

一語だけの問題に、曲全体へ強い処理をかける必要はありません。その部分の音量調整や録り直しも選択肢です。すでに歪んで録音された声を、ディエッサだけで元へ戻すことは期待しないでください。

まずはSplitで、狙う音を探す

初回はModeをRelative、RangeをSplitにして、限定した帯域への処理から試す方法があります。Splitは対象帯域を、Wideは全帯域を減衰する動作です。Wideを「もっと高い周波数まで処理するスイッチ」と考えないことが大切です。

SplitでFilter Soloをオンにすると、抽出した帯域だけを確認できます。Frequencyを動かしながら、痛い子音がどこで目立つか探しましょう。見つかったらFilter Soloはオフへ戻します。抽出音の聴き心地ではなく、元の声に戻したときの自然さが判断材料です。各モードとRangeの仕様

男女や声の高さだけで周波数を決め打ちせず、その録音を聴いて合わせます。判断が難しいときは、前段のChannel EQのアナライザも補助になります。ただし、画面で一番高い山が必ず不快な音とは限りません。Channel EQの基本はこちら

ThresholdとMax Reductionを一度に動かさない

周波数を探したら、次はThresholdです。短いフレーズを流し、Reductionメーターと実際の音を見比べながら、気になる子音で反応する位置を探します。RelativeとAbsoluteでは検出の基準が違うため、別の解説のThreshold値をそのまま移すより、使っているモードで反応を確かめるほうが確実です。

ここで声が常に処理されているなら、周波数や検出条件を見直します。効きっぱなしのまま上限だけを大きくすると、何が変わったのか分かりにくくなります。

Max Reductionは、例えば上限3dB程度の控えめな状態から試し、足りなければ増やす方法があります。これはApple推奨値ではなく、本記事の比較用の例です。3dBで必ず十分という意味ではありません。上限を上げたら、改善したサ行だけでなく、その直後の言葉も聞き直してください。

Thresholdで反応を決め、Max Reductionで深さを制限する。どちらを変えたのか覚えられるくらい、一つずつ進めましょう。Apple公式の調整手順

コンプレッサーの前と後、どちらに置く?

決まった正解を探すより、どこでサ行が目立ち始めたかを確かめます。

録音そのものが気になるなら、先にディエッサを試す。コンプレッサーを通した後に急に刺さるなら、後段での処理やコンプレッサーの設定を比べる。この順番で考えると、プラグインを増やす前に原因を切り分けられます。

比較するときは、配置を変えただけで終わらず、Thresholdも調整し直してください。前段から入ってくる信号が変われば、同じ数値でも反応は変わります。EQとコンプレッサーの順序でも、前後関係を変えて確かめる方法を紹介しています。

ディエッサを二段使う方法もありますが、最初から重ねる必要はありません。一段で困っている点を言葉にできてから、次を考えるくらいで十分です。

仕上げに確認したい三つのこと

一つ目は、バイパスしても処理後でも歌詞が聞き取れること。サ行を消すことに集中して、発音まで崩していないかを確認します。

二つ目は、伴奏と一緒に聴くこと。ソロで少し気になる明るさが、曲の中では言葉を支えている場合もあります。小さめの再生音量でも、子音だけが飛び出すかを確かめてみてください。

三つ目は、別のフレーズも再生すること。一番強い場所に合わせた設定が、静かな歌い出しでは深く効きすぎるかもしれません。Aメロとサビを行き来すると、同じ設定で扱える範囲が見えてきます。

「柔らかくなったけれど、何を歌っているか分かりにくい」と感じたら戻しどきです。Max Reductionを減らす、検出する帯域を見直す、問題の一語だけを調整する。その順に試せば、さらに強くかける以外の道が残ります。

※Mac用Logic Proの公式資料を2026年11月2日に確認。画面や表記はバージョンにより異なります。設定例は比較のための提案で、実機検証結果や全素材への推奨値ではありません。

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